思うところがあり、MKB48の有以が旅に出ました。
行き先はインドです。
インドは危険じゃないかと言う意見もありましたが、カレーの国なので大丈夫です。
旅に出た理由はMKB48の活動にちょっと疲れたから。
100年に一人の美少女と持て囃されましたが、本当はさみしがり屋のボッチ少女なのです。
引き篭って、ポテチ食べてる方が幸せなのです。
でも今いきなり辞めるとプロダクションに迷惑をかけるので旅に出るという選択を選びました。
旅は良いです。
全てを忘れさせてくれます。
インドへは中国、ネパール経由で密入国しました。
正式な手段では現地のファンが集まり、自由を満喫できないからです。
インドに着いたらブラマナンダの手引きでカフェの女給を始めました。
インド人は基本カレーしか食べないので、コーヒーを飲む習慣がありません。
ですから、お客も少なく暇な時間はMKB48のシングルメドレーを歌って時間を潰したのです。
その時、怪しげなブローカーがやってきて、こう言ったのです。
”インドの山奥で地下アイドルが集まる秘密の祭典がある。参加しないか。”
有以は心の中で地下アイドルじゃないもん。と思いながらも、祭典がどんなものか知りたくて、”行きます。”と答えたのです。
祭典のメインイベントはジャンケン大会です。
どっかで見たことのある光景だなと思いましたが、深く考えると負けなので、とりあえず参加しました。
ジャンケンのコツは色々とありますが、最強の必勝法は後出しです。
これに勝る方法はありません。
ですが、これを気づかれずに実行するのは至難のわざです。
でも大丈夫。
インド人は細かい事は気にしません。
有以はインド杯争奪ジャンケン大会に見事優勝しました。
商品はサーロインステーキでした。
え。。。
インドでは80%以上の勢力を誇るヒンドゥー教で、牛は神の使いなので食べては行けないと教えられているのでは。
まあ、優勝者が日本人なので気を利かせて用意してくれたのだと思うので、遠慮なくいただきました。
その後事件が起こりました。
そしてホテルに戻って、フライパンでじっくり弱火で焼いていたときです。
フライパンから七色の煙が立ち上がり、ヒンドゥー教の神、ヴィシュヌが登場したのです。
”貴女はしてはいけない事をしましたね。”
”もうMKB48のメンバーである資格はありません。”
”研究生からやり直しなさい。”
有以は研究生に降格となりました。
インドでの研究生生活は過酷です。
お風呂はガンジス川での沐浴のみ。
上流からは、ありとあらゆるものが流れてきます。
”もう無理”
そうつぶやいた時にガンジス川が割れたのです。
まるでモーゼの十戒のように。
その割れ目から現れたのはヒンドゥー教のもう一人の神、シヴァでした。
シヴァは言いました。
”有以。もう帰ろう。”
そして、シヴァと共に帰ったのです。
何処に。
もちろん日本です。
シヴァは日本では大自在天と名乗り活躍していたスターです。
またスター街道を歩めるかもしれない。
有以は淡い期待を抱きました。
しかし日本に帰省後、その夢は儚く破れました。
シヴァは日本ではスターでも、インドではただの暴れん坊です。
税関を通してもらえず、強制帰国となりました。
どうやらバックの中に怪しい白い粉が入っていたようです。
そして有以にも売人の容疑がかけられました。
薄暗い個室できつい取り調べを受けた後、牢獄にぶち込まれたのです。
牢獄は個室ではなく、8人部屋でした。
牢名主のダンプ松本を筆頭にそうそうたるメンバーが待ち構えていたのです。
ダンプは有以を見て一言。
久しぶりね。
そう、彼女は昔の仕事仲間でした。
実は有以はアイドル間の交友関係を利用して、白い物を売買していたのです。
ダンプは言いました。
とうとう貴方も捕まったのね。
ここに入ると罪人の証として、恥ずかしい柄のタトゥーを体中に入れられるので、
もうアイドルは出来ないわよ。
そんなの嫌。
有以は脱獄の決心をしました。
しかしどうやって。
そうだ看守を買収して外にでよう。
その為には看守が好きな食べ物をリサーチをしなければ。
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